2008年06月30日

09年春の新卒採用がヤマ場を超えた

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日本経済新聞社と就職情報サービス会社のディスコ(東京・文京)が実施した「学生アンケート調査」によると、8割強の学生が6月時点で事実上の内定となる「内々定」を得た。内々定を得たうえですでに入社を決めた学生も7割近くに達し、売り手市場が続いていることを印象づけた。

 調査によると最初に内々定を得た時期は採用活動解禁直後の「4月上旬」が21.8%でトップ。6月時点で80.2%の学生が内々定を得ていた。「すでに入社する企業も決まっている」学生は67.2%。就職活動を続けている学生は32.8%だった。

 就職を決めた学生に、その企業の位置づけを聞いたところ、「第1志望ではないが入りたい企業だった」が43.5%でトップで「第1志望の企業だった」(40.0%)が2位。「志望していた企業ではなかった」は10.3%にとどまり、希望に近い形で就職先を決めた学生が多かったことが分かる。

 学生に対して今回の就職活動を振り返ってもらうと、「非常に満足」が52.7%。「まあ満足」(41.4%)と合わせると大半の学生が満足している。  (以上、6/30日経新聞)

 

年々早期化する採用活動。日経連は3月末まで選考活動を自粛するように呼びかけてはいるものの、その効果は日経連加盟企業に対してであってしかも自粛と弱い。新卒者が今後減少していく中、どの企業も優秀な学生獲得合戦が熾烈化している様子が数字からもはっきりしています。4月6日の日経新聞発表同調査では3月下旬で「志望企業から内々定を得ている」が19.4%でした。3月下旬と言うことは大学3年生ですね。ほとんどの学生は夏休み前に就職先が決まっているのが現状のようです。

採用活動の長期化は企業にとっては歓迎しないのが本音だと思います。内々定から内定、入社まで1年超あるわけで、その間、学生に逃げられないようにコストを払って引き止め策を行わなければいけません。それに引っ張られる学生も学業がある中、企業が行う内定辞退フォローという名の研修、セミナーに付き合わされるのです。人事部は学生ひとりひとりと向き合い、内定辞退されないようにあの手この手で自社の魅力を学生にプレゼンし続けます。お互いの腹の探りあいともいえるこの手のイベント、お互い精神衛生上よくないと思うのですが…内定辞退におびえながら、企業は次の新卒2010年卒の活動を始めなければなりません。人事部の仕事は年中採用活動をしているようなもので、気が休まることはないのです。

 

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採用コンサルタント 田中謙二

 

  
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2008年06月29日

採用リスクに備える その2

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採用リスクを考えたときに、採用側が注意すべきことを以下まとめます。採用行為は、法的には職業安定法の募集にあたります。そこで平成11年労働省告示第141号の中身をしっかり理解することが重要になってきます。平成11年労働省告示第141号とは、『職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針』をいいます。

 

(労働条件等の明示及び募集内容の的確な表示)

 職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者及び労働者供給事業者(以下「職業紹介事業者等」という。)は、法第5条の3第1項の規定に基づき、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下「求職者等」という。)に対し、その者が従事すべき業務の内容及び労働条件(以下「労働条件等」という。)を明示するに当たっては、次に掲げる事項に配慮すること。

 

1明示する労働条件等は、虚偽又は誇大な内容としないこと。

 

2求職者等に具体的に理解されるものとなるよう、労働条件等の水準、範 囲等を可能な限り限定すること。

 

3求職者等が従事すべき業務の内容に関しては、職場環境を含め、可能な限り具体的かつ詳細に明示すること。

 

4労働時間に関しては、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働、休憩時間、休日等について明示すること。

 

5賃金に関しては、賃金形態(月給、日給、時給等の区分)、基本給、定額的に支払われる手当、通勤手当、昇給に関する事項等について明示すること。

 

6明示する労働条件等の内容が労働契約締結時の労働条件等と異なることとなる可能性がある場合は、その旨を併せて明示するとともに、労働条件等が既に明示した内容と異なることとなった場合には、当該明示を受けた求職者等に速やかに知らせること。

 

7労働者の募集を行う者は、労働条件等の明示を行うに当たって労働条件等の事項の一部を別途明示することとするときは、その旨を併せて明示すること。

 

これらは、採用にあたりどんな労働条件で雇入れるかについて重要な事項です。この点をおろそかににしたり、あいまいにしたまま雇い入れると、後になって言った言わないの誤解が起こりトラブルの元となります。じゅうぶんな説明をいたしましょう。

 

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2008年06月28日

JOYWOWライブに参加

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6月25日のブログで「ゆるみ力」の本を紹介しましたが、6月26日、著者が会長を勤める株式会社JOYWOW主催のセミナー(著者はそれをライブと呼んでいます)に参加してご本人に会ってきました。阪本さんにお会いするのは前職時代、大阪でブランディングセミナーにきていただいて以来実に10年ぶり。私のことを記憶していただていたようで握手を求められました。いやー、益々パワーアップしておられ、相変わらずの分かりやすい直球の阪本節に感激して帰ってきました。

 

阪本さんは、「パーミションマーケティング――ブランドからパーミションへ」セス・ゴーディン著/阪本啓一訳/翔泳社/1999年(「Permission Marketing」の邦訳)のを翻訳され、かねてから営業手法に一言持っていらっしゃいました。パーミッションマーケティングとは、事前にパーミッション(許可・許容)を得た相手に許諾の範囲内で、情報提供や勧誘、販売促進、顧客情報取得などの活動が許されるとするマーケティングの考え方、あるいはそうしたマーケティング手法の総称であると紹介されています。今回のライブは無料でした。無料で話しますからそのかわり私たちが営業にいっても温かく迎えてください、とライブの冒頭に、ライブ申込みの前にパーミッションをとっています。

 

今でこそこの手の手法は一般的になっていますが、まだまだ、この世の中、押し売り商法が多いですね。阪本さんの言葉を借りれば「土足で上がり込む」という言い方になるのでしょうが、売る前にお互いの信頼関係を築くことが大事なのに、いかに売るかがノルマを持たされた営業にとっては最大関心事であって、そこには相手のことは二の次なのです。

 

2ヶ月前のことだったでしょうか。オフィスにペットボトルの冷蔵庫を置いてくださいと営業に来た営業マンがいました。クリスタルカイザーは50円です。電気代しかかかりませんし、毎週商品の入れ替えに来ます。毎日同商品を110円でコンビにで買っていた私は社内で検討し置くことにしました。毎週入れ替えに来るという約束はスグに反古にされ、在庫が切れるころを見計らってこちらから電話しないかぎり来てくれません。営業マンからの接触はその後一切ありません。

 

顧客第一主義とはどういうことか。オフィスの壁に顧客第一主義と大きく掲げられてある会社って多いと思いますが、実践出来てますか。末端までその思想が浸透していますか。自分のかつての職場の営業手法はどうだっのか。今の自分の姿勢はどうなのか。今回のライブに参加して多くの気付きをいただきました。阪本さんに、JOYWOWに感謝です。

 

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2008年06月27日

採用リスクに備える その1

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昔は、人・物・金の事を、Man, Material, Money3Mと言っていました。今はそれに情報が加わって経営資源の4要素と説明されます。また、「人材」のことを「人財」とわざわざ言い換える企業も多く見受けられます。このように「人」は会社にとって重要な資源であり、その資源たる人がハイパフォーマンスを発揮してくれるかについては入り口、つまり、採用で決まってきます。採用の中でも特に新卒採用においては、職業経験を持たないために新卒者のポテンシャルの見極めが重要だと言われます。見極めの精度が会社の将来利益を決定する大きな要素になってきます。

 

今回は、採用のリスクについて考えます。労務管理の視点から採用を見た場合、トラブルメーカーとなりそうな人物をいかに排除するかに尽きます。就業規則をはじめとして服務規律など会社で定められた諸規則をしっかり遵守してくれるか、身元は確かか、業務に耐えられる体力や気力、精神力を備えているか、などについてスクリーニングをかける機能が働いているか。採用の前にしっかり点検しておくことが重要です。ひとたびトラブルメーカーを抱えてしまったら、今の日本の法律では簡単には解雇できません。最後は労使が合意した上でトラブルメーカー君に納得行くお金を払ってお引取りいただくほかないのが現実だからです。次回以降、具体的に検討することにします。

 

 

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2008年06月25日

ゆるみ力

ゆるみ力 (日経プレミアシリーズ 7)
著者(坂本啓一氏)に初めてお会いしたのは10年も前の会社員時代、大阪にいた頃です。当時、私は西梅田オフィスで企画課におり、坂本氏が営業研修で講師として呼ばれ、マーケティングについて講義していただきました。

坂本氏はまだ旭化成の社員で営業職、副部長の肩書きだったと記憶しています。それ以来お会いする機会はありませんでしたが、メルマガは今でも読んでいますし、本が出版されればほとんど購入しています。

「ゆるみ力」

タイトルの通りの本でした。読んでいるうちに気持ちが緩んでいきます。肩の力がすーと抜けていくようなそんな感覚です。表紙がまたいいですね。ゆっくりお湯につかっているような気持ちになってほしいという著者のメッセージがよく表れています。最近肩が凝っているなあとおもっていましたら変なところに力が入っていたのですね。「緩む」ことを意識しないと何事も長くは続かないもの。久々にほっとする本に出逢いました。

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2008年06月22日

女女格差

女女格差

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思えば格差問題が広く一般に語られる世の中になりました。もちろん格差は昔からあったわけで、ことさら新しい問題ではないでしょうが、格差といった場合に格差を言う人の立場やその人の置かれた境遇で捉え方が大きく変わることが一般的でしょう。恵まれた環境で育ってきた人の考える格差とそうでない人とでは、あきらかにモノサシが違うわけで、そこでは議論がかみ合うことはありません。

格差が今ほど言われるようになったのは勝ち組、負け組みと言われだしたころからでしょうか。その象徴は、ヒルズ族だったのでしょう。そのヒルズ族もいまは昔ですね。非正規雇用者の増加が所得格差を生み出し、今、格差といえば多くが所得格差という理解でしょうか。

さて本書です。今まで男女間格差を論じた書物は多いのですが、女性同士の格差を正面から書いた点で「女女格差」は新しい感があります。著者は、格差を語るときには「機会」の格差と「結果」の格差を峻別することが重要であると指摘しています。なるほど、努力した人と努力しない人がいた場合に当然努力は報われるべきでその結果格差が出来たとしても容認されることに異論はありません。問題は、機会が平等に与えられない結果として格差が生じている場合です。本書でも同様のことを言っています。

世の中、まだまだ機会が均等に与えられず結果格差を生じている例が多く存在します。例えば、コース別雇用管理制度において、総合職の多くが男性であり、一般職の多くが女性であるということ。そのこと自体は採用時に個人が選択したことなのでその結果賃金格差ができても仕方ないことです。問題は、むしろその後です。つまり、採用時にコースが決まったらその後の転換がほとんどできないという現実です。長い職業生活では自分が想定していない様々な変化が起こります。転換できる機会ももっと緩やかにすべきだと思います。

改正均等法で間接差別法理が導入されたことは大きな前進でした。ただし、間接差別が限定列挙に留まっているという世界でも珍しいものなので、付帯決議が盛り込まれたとはいえ早くグローバルスタンダードにすべく改正が待たれるところです。

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採用コンサルタント 田中謙二

  
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2008年06月16日

ひさびさに登場

ソファーにてくつろぐ うち大阪の池田銀行の庭で拾われた「ふー」いいますぅ。

12歳ですけど、まだまだ近所では美人ネコとしてちょっとは有名ですねんえ。

 

ときどきこのブログに登場して場を和ませてますぅ。

お初の方はどうぞよろしゅうに。ひなたぼっこ

さいきん、このブログ、内容がむずかしいゆうて、評判がよくないさかい、久々の登場ですぅ。

くりっくよろしゅうに

実はうち病気ですねん。

昨日、病院に行きましてん。

 

急に食欲がなくなって時々へんな咳するさかい、ご主人が心配して連れて行ってくれましてん。

レントゲンしてエコー検査した結果、どうやら胸線腫らしいですわ。

胸にお水が250ml.も溜まってました。すぐに注射針で抜いてもろうて、今はちょっとは楽になりましたが、食欲がないです。ふーとフク

今週大学病院で詳しく検査してもろうて、多分腫瘍を取り除く手術を受けることになりそうです。

 

 

早く元気になってまた皆さんに和んでもらうため登場するさかい、これからもよろしゅう頼んます。ほな、また。

  
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2008年06月14日

正規雇用と非正規雇用

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正規雇用契約と非正規雇用。そもそも雇用に正規、非正規があるのだろうか。この種の区分けは役所がよく使う。最近の例ではバッシングの象徴「後期高齢者」でしょう。厚生労働省の白書データベースで調べてみると、1926(昭和元)年から2008(平成20)年の間に非正規雇用は193件登場する。初めて白書で非正規雇用という言葉が使われたのは『平成7年版労働経済の分析』の中の「非正規雇用者の失業者の推移」という箇所。このころの雇用情勢について、同白書は「1991年(平成3年)から景気後退が続いていた日本の経済は、1993年10月を谷として緩やかな景気回復過程に入った。しかし、1994年に入っても完全失業率はなお上昇を続け、求人倍率は低下に歯止めがかかったものの、なお低い水準にとどまるなど、雇用情勢は厳しい状況で推移した」とある。正規職員の失業率と比較して非正規職員のそれが高いと紹介している箇所で非正規雇用という語が登場した。その後の、白書の見出しを追っかけると、

女性の非正規雇用者は10年間で約6割の増加(平成8年版)

非正規雇用導入の理由は「人件費節約のため」(平成8年版)

家庭責任と職業との両立のための非正規雇用(平成8年版)

女性は学校卒業時に正規雇用、再就職時に非正規雇用を選ぶ(平成8年版)

景気要因ばかりではない学卒無業の増加(平成12年版)

雇用の不安定化と就業形態の多様化の影響(平成18年版)

自発的離職失業者は2005年に入り増加(平成18年版)

若年層では正規雇用割合の低下が鈍化平成18年版)

製造業にも広がる非正規雇用の活用平成18年版)

事業所は、労務コスト削減のために非正規を活用平成18年版)

要員の迅速な確保、雇用調整・雇用管理の容易さがメリット平成18年版)

経験を積んでも高まらない非正規従業員の年間収入平成18年版)

厳しい若年者の結婚をめぐる環境平成18年版)

正規雇用の勤続傾向の強まりと非正規雇用による雇用の柔軟性平成18年版)

製造業で広がる外部人材の活用と若年労働者が抱える問題平成18年版)

格差の固定化を招かないための職業能力開発の充実平成18年版)

上昇傾向にある非正規雇用割合平成19年版)

正規・非正規の賃金格差平成19年版)

 

平成8(1996)年頃までは非正規雇用は女性固有の問題とされてきたが、平成3(1991)年から平成14(2002)年にかけての平成不況において、企業はリストラの大合唱で雇用調整を行った。つまり、正社員を抑制しパート、アルバイト、派遣といったいわゆる非正規雇用に置き換えて人件費を抑制した。その後、景気が回復した局面でも非正規雇用者は正規雇用されることなく固定化してしまった。こんな流れが白書を時系列で追っかけるとよく分かる。そして今、両者の格差拡大が顕在化し、パートタイム労働法の改正などで行き過ぎた振り子を戻そうとしている。

 

舛添要一厚労大臣が昨日、通訳などの専門職種を除き日雇い派遣の原則禁止に言及した。日雇い派遣大手のフルキャストの株価がストップ安で比例配分されるなど市場も反応した。働きたくても日雇いでしか働けない人たちがいるという日本の現実を大臣は分かっているのだろうか。

彼ら彼女らのためのセイフティーネットをやらないで禁止は現実的でないし、そんなことが通れば政治の無策を問われるだろう。経営側の要請に応えるように派遣法をどんどん規制緩和させて非正規雇用の拡大の手助けをしたのはあきらかに政府だ。今になって緩めた栓を一気に締めたら影響を受けるのは非正規雇用者たちだ。いま雇用形態の選択肢を安易に狭めるべきではない。先週秋葉原で犯罪史上希な悲惨極まりない事件が起きた。元派遣社員の犯行だと報じられている。この事件に関しての報道を見ると派遣が悪いと暗に言っているかのような内容も見受けられるが、それはあまりに短絡的な考え方であり安易に言うべきでない。事件は今後の捜査で原因が明らかにされるのであり決め付け的報道は控えるべきだ。事件は事件、日雇う派遣の問題とは分けて考えたい。

 

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2008年06月01日

「和民」の賃金未払い問題

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今日はいい天気ですね。きょうは賃金の端数処理に関連してこの記事から引用して解説します。

 

「和民」で賃金未払い 217人に1200万円支払う 

「ワタミ」(東京)のグループ会社で、居酒屋「和民」などを全国展開する外食大手「ワタミフードサービス」(同)がアルバイト店員の勤務時間を一部切り捨てていたとして北大阪労働基準監督署の是正勧告を受け、217人に計約1200万円の未払い賃金を支払った。一方で元店員の20代の男性が「内部告発への報復で解雇された」として、同社に慰謝料など約450万円の損害賠償を求める訴訟を2日にも大阪地裁に起こす考えだ。

 

 ワタミによると、ワタミフードサービスは大阪府北部2店でアルバイト店員の勤務時間を1分単位で記録せずに30分単位などで端数を切り捨て、賃金の一部が未払いだとして06年秋に勧告を受けた。同労基署管内のほかの4店でも同様の事態が判明。同社は60人に計約400万円を支給した。

 

 同社は昨年2月、全国400店余りのアルバイト店員約1万2千人を対象に内部調査。北海道・東北2店▽関東15店▽東海2店▽近畿20店▽中国2店の計41店で切り捨てが判明し、157人に計約800万円を支払った。ワタミの広報担当者は「労働時間の切り捨てはあってはならず、徹底できていない店があった。全国の店舗ですでに改めた」としている。

 

 提訴を予定している男性によると、労基署への通報は06年7月で、同9月に解雇された。ワタミフードサービスの社員から「労基署に行くような人は企業にとってリスク」と退職を迫られたと主張。これに対してワタミ側は「元店員の解雇理由は個人情報のため明らかにできないが、提訴されれば、訴状を見て対応を検討する」と話している。(朝日新聞 朝刊06/01)

 

3年ほど前に労働時間の切捨て問題が大きく報道されたことをご存知でしょうか。2005年8月1日の各新聞で、日本マクドナルドホールディングスがルバイトの勤務時間と社員の時間外勤務について、これまで30分未満の部分を切り捨てて計算し、その分の賃金を支払っていなかったと発表したという記事です。同社は、直営2725店で働くアルバイト約9万1000人、社員約4600人に対して、労働基準法の規定に基づき、過去2年間の未払い分を支払うと約束し、退職者についても追跡調査をして未払い分を支給するという発表でした。

 

マスコミで大きく報道されたためこれ以降点検した会社が多かったはずですが、なかなか徹底できていないようですね。賃金支払いにあたっては次のものが労働基準法違反にならない端数処理の取扱いとして示されています。(S63.3.14基発第150号)下線部分に特に注意して読んでください。

 

(1)通常の労働時間または労働日の1時間当たり賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げること。

(2)1時間当たり割増賃金額に円未満の端数が生じた場合(1)と同様の処理をすること。

(3)その月における時間外、休日または深夜の総労働時間数に30分未満の端数がある場合には切り捨て、30分以上の端数がある場合には1時間に切り上げること。

(4)(3)によって計算したその月分の割増賃金の合計額に円未満の端数が生じた場合、(1)と同様の処理をすること。

 

上記(3)による場合が、労働時間数の端数処理の方法です。注意が必要なのは1日における労働時間数の端数処理ではないという点です。さらに端数処理が認められるのは、時間外等の計算においてのみということです。したがって、新聞報道にあるように1日の勤務時間を端数処理30分単位で四捨五入という方法は明らかに違法です。

 

 

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採用コンサルタント 田中謙二

  
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