2006年04月20日

産休・育休時の賞与減額認める判決

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20031204日、産経新聞にこんな記事が載っていたのをご記憶でしょうか。

 

産休で賞与不支給は違法/「欠勤扱い公序に反する」

共同通信によると、産休と育児休業が欠勤扱いになり、規定の出勤率に満たなかったとして、大手予備校「代々木ゼミナール」グループの学校法人に勤務していた女性(40)がボーナスを不支給とされたことの適否が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫(かいなか・たつお)裁判長)は4日、「欠勤扱いは公序に反し無効」として、全額カットは違法との判断を示した。

しかし未払いの約126万円すべてを支払うよう命じた一、二審判決に対しては、減額の可能性などを考慮していないとして破棄。この女性に対する就業規則の不利益変更がなかったかなども含めて判断させるため、審理を東京高裁に差し戻した。

 判決理由で甲斐中裁判長は、産休などを欠勤扱いにすると、勤務を続けながら出産し、育児のために勤務時間を短縮させる権利の行使が抑制されると指摘。「これらの権利を保障している労働基準法などの趣旨が、実質的に失われる」とした。

 五裁判官のうち、泉徳治(いずみ・とくじ)裁判官は「欠勤扱いは、産休の取得や育児時短勤務をした女性従業員をボーナスの支給対象者から排除する趣旨で新たに付加されたものだ」として、上告を棄却するよう反対意見を述べた。

 判決によると、代々木ゼミナールで事務職をしていたこの女性は、1994年7月、男児を出産し8週間の産後休暇を取得。職場復帰後も男児が1歳になるまで、勤務時間を1日当たり1時間15分短縮した。

 就業規則は、産休や短縮した勤務時間を出勤日数から除外するとし、半年間の出勤率が90%以上の者をボーナス支給対象としていた。このため、女性は出勤率が規定を下回った94年末と95年夏のボーナス全額をカットされた。 <以上、2003/12/4、産経新聞より転載>

 

それを受けて、今朝の日経新聞朝刊。東京高裁の差戻し審判決です。

産休・育児で休業分の賞与、高裁、減額認める。

産休と育児のための勤務時間短縮を欠勤扱いにされ賞与を全額カットされたとして、大手予備校「代々木ゼミナール」グループの学校法人に勤めていた埼玉県の女性が損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審判決が十九日、東京高裁であった。安倍嘉人裁判長は「全額不支給は違法だが、勤務時間短縮に応じた減額は認められる」との判断を示した。
 そのうえで学校法人側に約百二十万円の支払いを命じた差し戻し前の同高裁判決を取り消し、約九十万円の賞与を支払うべきとした。ただ女性は以前の判決に基づき仮執行を受けていたため、受け取り過ぎた約三十万円を返還するよう命じた。
 判決によると、女性は一九九四年、出産で八週間の産後休暇を取得した後、子が一歳になるまでの間、育児のために勤務時間を短縮。学校法人は「出勤率九〇%以上」の賞与支給対象に達していないことを理由に、九四年末と九五年夏の賞与を全額カットした。<以上2006/4/20 日経新聞朝刊より転載>

 

明らかに行き過ぎのこの就業規則。賞与全額不支給から、今回のケースでは25%の減額となったが、おそらく、代ゼミの就業規則に書いてある所定労働時間と、この女性の短縮した勤務時間を見比べて25%の減額が相当との判断だったのでしょう。

 

社労士は就業規則の作成、見直しの専門家。もし私が、代ゼミの就業規則を見ていたら、「公序良俗に反する」と判断できたか?できなければマズイよねえ。この判決を待つまでもなく、女性が働きやすい環境を整備していかなければ、優秀な人材はどんどん流出していくことを経営者は知るべし。

 

きょうも最後まで読んでくださいましてありがとうございました。ここをクリックしてまた明日お越しください。田中謙二

 

 

 


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この記事へのコメント
ほとんどの経営者は、「優秀な人材であればいくら払ってもOK」と考えていると思う。いまどき“丁稚奉公”扱いのとこは少ないだろうし、もしそんな会社があればそれこそ生き残れまい。

件の女性はどうかわからないが、問題は「優秀でない人材」の場合。例えD評価がずーっと続くような社員でも、労基法上賞与未払いは認められまい。懲戒に値するような内容であれば解雇も視野に入るだろうが、どう考えても“極潰し”の範疇に属す社員の扱いが問題のように思う。

社会的にはそのような者も受け入れていくことが共生になるのだろうが、会社としてはかなりのコスト負担となるだろう。もちろん彼らにヤル気を出させるのも経営手腕だろうが、ことはそう簡単ではない。
Posted by k at 2006年04月20日 12:49