採用のあり方がいま大きく変わろうとしています。東大の提唱している秋入学、ユニクロの大学1年でも内々定がもらえるという通年採用、今回取り上げた岩波書店もその流れの中にあると感じます。
報道によれば、
「応募資格は“コネ”のある人―。老舗出版社の岩波書店(東京)が、2013年度定期採用で、応募条件として「岩波書店(から出版した)著者の紹介状あるいは社員の紹介があること」を掲げ、事実上、縁故採用に限る方針を示したことが2日分かった。同社の就職人気は高く、例年、数人の採用に対し千人以上が応募。担当者は縁故採用に限った理由を「出版不況もあり、採用にかける時間や費用を削減するため」と説明。」共同通信(2012年2月2日18時20分)
この報道を受けてツイッターでも喧々諤々のツイートが飛び交いました。
岩波書店の採用ページには「2013年度の社員採用は一般公募ではなく、岩波書店著者もしくは岩波書店社員の紹介を応募条件として行います。詳しい応募要項はここをクリックしてご覧ください。」
http://www.iwanami.co.jp/company/index_s.html
【募集の種別】2013年度定期採用(経験者含む)
【担当業務】出版業務全般
【採用人数】若干名
【入社時期】2013年4月(都合のつく方には、上記以前に入社をお願いする場合があります)
【応募資格】A:4年制大学卒業者(2013年3月卒業見込者を含む)1982年4月2日以降生まれ
B:出版関連業務(編集/製作/校正/販売/宣伝/経理/総務等)経験者=学歴は問わない
年齢:35歳程度まで
※岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること
【応募期間】2012年1月23日(月)〜3月16日(金)[当日消印有効]
【筆記試験】4月8日(日) 試験時間:9時〜12時40分(予定) (詳細については、書類選考合格者にメールまたは 郵送で通知します)
【面接試験】第1次:4月14日(土)/第2次:4月18日(水)/第3次:4月21日(土)
さて、どこがおかしいのでしょうか?
紹介採用は昔からあったルートで、小規模企業ではいまだ健在でしょう。それを機会均等に反するとおっしゃる方々は、報道の「コネ」に過剰反応して、いささか感情的では?と思うわけです。若干名の枠に応募が殺到して日常業務に支障があることも容易に想像できるわけで、採用コストの削減の観点からも会社として対応したということでしょう。
企業が、いつ、どんな人材を、どのような条件で採用するかは、関係法令に反しない限り、企業に任されています。法令に違反しないのであれば、あとは倫理上の問題が残るわけですが、機会平等を奪ってもいないし、ましてや採用差別などの類ではない。どう読んでも倫理に反するとは思えません。小宮山大臣もマスコミに乗せられて、「公正な採用・選考に弊害があるという指摘かと思うので、早急に事実関係を把握したい」と発言されたわけですが、まあ目くじら立てることではありません。
むしろ、私は応募者の本気度を試したのではと考えました。「この程度のハードルを超えられないヤワな人材はわが社には要らない」との社長メッセージではないかと。
例えば、「わが社は美男美女しか採用しない」は問題ありでしょうか。美男美女の活躍が企業業績と正の相関関係があって、ファッションを扱うような業種であれば許容されるとも考えられます。もっとも、公言することはさすがにないでしょうが、内実行っている会社はありそうです。
脱線しました。「大量に応募させて大量に不採用にする。こんな新卒一括採用はもう終わりにしませんか、もっと本音で採用しませんか」が、私の採用に関する主張であります。